右下のサブリーンの絵の刺繍を拡大。
すっごく手が込んでます。
レースに、ビーズ。 アラビア語で書いてある名前や年齢も、正確に再現してありますね。
この大きさは、絵葉書からトレースして刺繍したのではないかと思います。
(以前、「えはがき募金」で買っていただいた絵ばかり刺繍になってましたから)
「子どもをアーチストとして尊重し、その絵を正確に再現することを目指す」
という「てつなぎキルト」の趣旨を理解して、これを作ってくださったのが、よくわかります。
皆さん、子どもや孫を育てている「お母さん」だからなんですね。
サブリーンの絵を、どれほどいとおしんでいるか、自分の我を出すのではなく「子ども」を主体にしているか・・・そして、縫っている間どんなに楽しんで縫っていたか!
「楽しい!」っていう感じが、溢れていますよね。
自分が黒子であることを楽しめる資質というのは、男女を問わず、持っている人は持っていると思いますが、この頃では、まるでそれが「没個性」であるかのような、ネガティブな捉えられかたをしているように思います。 残念なことです。 自分の我を横において、誰かの個性や、伝えられてきた情報(技術も含む)を正確に伝達することができるというのは、とても高度な精神作業だと私は思います。
その上、手仕事の技術も身についていなければ、サブリーンの独特のタッチは再現できません。
これを縫った方だけでなく、日本の中の、地方の、畑や山に囲まれた町の、普通につましく暮らしている人たちの手の中に、その「宝」がどれほど埋まっているか・・・。
都会の、特にめまぐるしく変わる流行に流されがちな首都・東京に住んでいる人たち、その中でも更に、男性たちと、20代の女性たちに。
「デザイナー」だの「アーチスト」だのというカタカナ言葉で自己紹介したがる人たちに。
野良仕事など知らず、「ベランダ・ガーデニング」で浮かれて「エコ」だと言いたがる人たちに。
そういう人たちにこそ、この「木の下のサブリーン」に触ってみてもらいたい、と私は思います。